「個人事業主だから、DHLやFedExの割引運賃は使えないのでは」と考える方は少なくありません。実際には、個人・小規模事業者でもアカウント(口座)を開設でき、定価よりも安い契約運賃を利用できる場合があります。越境ECで海外発送が増えてきたら、早めに検討したい選択肢です。
個人でもアカウントは開設できます
DHLもFedExも、法人だけでなく個人事業主向けのアカウント開設を受け付けています。おおまかな流れは、公式サイトの申込フォームまたは営業窓口から問い合わせ、事業内容や想定発送量のヒアリング、審査を経て口座番号が発行される、というものです。屋号や開業届、本人確認書類などを求められることがありますので、手元に準備しておくとスムーズです。
割引運賃の目安として、DHLでは新規契約から一定期間(およそ4か月)に最大50%程度、その後は取扱量に応じて最大70%ほどの割引が案内されることがあります。ただしこれらの数字はあくまで目安で、時期・地域・貨物内容・交渉によって変動します。実際の割引率と条件は、必ず各社および担当者に直接ご確認ください。
料金の概算は「定価×割引」で考えます
契約運賃の全体像をつかむには、まず公式の定価表(ゾーンと重量で決まります)を確認し、そこに想定割引率を掛けて概算するのがわかりやすい方法です。たとえば定価が1万円のゾーンで40%割引なら6,000円、という考え方です。
ここで見落としがちなのが、燃油サーチャージや各種付加手数料です。燃油サーチャージは運賃に対して数十%が上乗せされ、月ごとに料率が変わります。さらに、遠隔地配達、住宅地配達、通関関連などの付加手数料が加わることもあります。割引はおもに基本運賃に適用され、サーチャージには効きにくい点を踏まえて見積もると、実際の請求額とのズレが小さくなります。EMS・航空便との比較検討はEMS・航空便・DHLの使い分けもあわせてご覧ください。
Ship&coなどの連携で契約運賃を使う
自分のアカウントを持っていなくても、出荷管理サービスを経由して割引運賃を利用できる場合があります。こうしたツールは、複数のキャリアのラベル発行やインボイス作成をまとめて行え、自社アカウントを連携すれば交渉済みの契約運賃をそのまま反映できます。発送量がまだ少ない段階では、こうした連携から始めるのも現実的です。
DDP/DDUの設定を忘れずに
アカウント開設後は、関税・輸入消費税を誰が負担するかの設定(インコタームズ)も決めておきます。DDPは発送側(あなた)が現地の税金まで負担する方式で、購入者は追加請求なく受け取れます。DDU(DAP)は購入者が受取時に税金を支払う方式です。買い手体験を重視するならDDP、コストを抑えたいならDDUと、商材や販路に応じて使い分けます。この設定はラベル発行時や連携ツール側で指定できます。
アカウント開設と割引運賃は、越境ECの利益率を左右する重要な要素です。まずは想定発送量を整理し、各社に見積もりを依頼するところから始めてみてください。物流全体の委託を検討する場合は越境EC向け3PL、基礎から見直したい方はトップページの各ガイドが役立ちます。なお本記事の割引率・料金は変動する目安であり、売上や利益を保証するものではありません。最終確認日は2026年9月7日です。